「てんきや」コラム

#18: 台風の測り方

アメリカではハリケーン・Isabelが猛威を振るい、日本でも台風15号(Choi-Wan)が着々と接近してきています。北半球、台風シーズン真っ盛りという感じです。ところで、台風情報を見ていると「中心の気圧は960ヘクトパスカルで…」というようなことを言っていますが、この気圧はどうやって決めているのでしょうか?

地上気圧の観測は、各地の気象官署で測定が行われています(アメダスでは観測していません)。また海上の観測データについても、航行中の船舶や無人の観測ブイからデータが送られています。気象庁ホームページの船舶気象通報状況を見ると、海上でもずいぶん多くの箇所で観測が行われているように見えます。が、台風のど真ん中に突っ込んでいく船がどこにあるでしょうか(かつては気象庁の観測船がそのようなことをやっていました。参考書籍:台風と闘った観測船(饒村曜著・気象ブックス刊))。というわけで、海上の台風の中心気圧を直接観測することはなかなか難しいわけです。

では、どうやって台風の中心気圧を決めているか? 実は、気象衛星のデータをもとに決めているのです。気象衛星の雲画像で「台風の眼」がくっきりと表れていれば台風の勢力が強い…というのは知っていると思いますが、これを発展させて衛星画像から台風の強さを推定する方法が実際に使われています。ドボラック法(Dvorak method)と呼ばれるこの方法では、雲画像のパターンにより台風を分類し、これに雲バンドの幅や長さ・雲の温度などの状況、そして台風が発達中か衰弱中かという要素も加味して台風の中心気圧を決定します。もちろん付近を航行中の船舶などの観測データがあれば、これも考慮しています。

気象衛星でわかるのは台風の位置だけじゃないんですね、ということで今回の話は終わり…と言いたいところですが、アメリカでは東京ディズニーシーのストームライダーさながらの観測が行われています(ディフューザーは撃ち込みません)Hurricane Huntersと呼ばれる観測チームは、ハリケーンが接近すると基地を飛び立ち眼の中に進入して中心付近の観測を行います。今まさにアメリカ東海岸に上陸して大きな被害を及ぼしているハリケーンIsabelについても観測を行い、正確な位置・気圧を逐次報告しています。当然、Dvorak法による推定よりも正確な観測ができるわけですが、台風の眼に飛行機で突っ込んでいくなんて…アメリカ恐るべし。

(2003/9/19)
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