「てんきや」コラム

#24: 虹を見たかい

冬場には虹なんて滅多に見ることができないのですが、「虹について解説してほしい」という話があったので取り上げてみます。 虹は太陽光線が空気中の水滴で反射してできる、というのは聞いたことがあるかもしれません。雨があがってすぐに日が差したようなときに虹が見えやすいのですが、冬は太平洋側では雨が少ないですし日本海側では雨ではなく雪が降りますから虹を見かける機会もなかなか無いと思います。寒冷前線が通過する時に降る強いにわか雨や、夏場の夕立の直後が虹日和といえます。

とはいえ、せっかく虹が出ていても、あさっての方向を眺めていては虹を捕らえることはできません。虹の出る場所は決まっているので、次のようにして探してみると虹を見つけるチャンスが高くなります。

雨上がりに日が差してきたら…
  • まず、太陽に背を向けて、自分の影が真正面に見えるように立つ。
  • 影の長さが身長よりも短いときは、虹はできないのであきらめる。
  • 太陽が低い位置にあるときは、斜め上30°〜40°あたりを探す。
  • 太陽が高い位置にあるときは、地平線近くを探す。
  • なぜこのような場所を探せば良いのか、その理由を考えてみましょう。

    水滴による光の屈折

    太陽光線が空気中の水滴に入射すると、左図のように

    1. 空気と水滴の境界面で、光は水滴に入射します(何割かは反射します)。
      このとき、空気中と水中で光速が異なることにより、光は屈折します。
    2. 次の境界面で、光は反射します(何割かは反射せずに空気中に透過します)。
    3. その次の境界面で、光は空気中に入射します(何割かは反射します)。
      このときもやはり、光は屈折します。
    光の波長によって屈折率が異なるため(赤い光よりも青い光のほうが波長が短いためより大きく曲がる)、水滴により屈折した光は波長ごとに分離されます。これが、虹が「虹色」に見える理由です。

    太陽の高度角と虹の位置の関係

    太陽の高度角が低いとき、虹の位置は高い。
    太陽の高度角が高いとき、虹の位置は低い。
    空気中の水滴に入射した光が屈折する角度は、水滴のどの部分から光が入射するかにより異なるのですが、角度40°〜42°付近で光の強さが最も強くなります。このため、右図のように、朝や夕方など太陽の高度角が低いときには虹は高い位置に、逆に太陽が高いところにあるときは虹は地平線近くに見えます。そして太陽の高度角が42°よりも高くなると、もはや虹は見えません。例えば夏至の日の8時頃から15時頃の間は太陽の高度角が42°よりも高くなるので、この時間帯にはどうやっても虹は見えません(東京の場合。左記の時間は観測する地点によりかなり異なります)。太陽の高度角が45°のとき自分の影の長さが身長と同じ長さになるので、これを参考にして「影が身長より長いときは虹が見えるかも」と覚えておけば良いでしょう。

    冬場は虹が見えるような気象条件は滅多にありませんが、噴水やホースの水で見える虹も全く同じ原理ですから、機会があればぜひ虹を見つけてみてください。ポイントは「太陽に背を向けて」、です。

    【参考文献】
  • Atmospheric Phenomena
  • 星の生まれる丘
  • そらのひかり
  • 太陽方位、高度、大気外日射量の計算
  • (2004/1/16)
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