「てんきや」コラム

#27: 暦のうえでは春

2月4日は立春でした。暦のうえではもう春…なんて言いますが、ますます寒くなってきた今日この頃。「暦のうえでは春」って一体どういうこと?

暦といえば、国立天文台。国立天文台のホームページの中の暦要項のページを見てみると、
立春 太陽黄経315度 2月4日20時56分
と簡単に書いてあります。では太陽黄経とは何ぞや? というと、これを説明するためには色々と前準備が必要だったりします。

天の赤道と黄道の関係

天の赤道に対して黄道は約23.5度傾いている。
  • 天の赤道…地球上の赤道を、そのまま宇宙空間に投影した軌跡。
  • 黄道…地球から宇宙を眺めたとき、太陽が1年のあいだに通る軌跡。
  • 春分点・秋分点…黄道と天の赤道が交わる2点。
  • 言葉で書くと非常に分かりづらいので図でなんとなく理解してください。 (なお、「地球から見ると」太陽が地球の周りを回っているに見えますが、実際には地球が太陽の周りを回っているので注意。)
    黄道と太陽の位置関係

    地球から見ると、太陽は黄道上を1年をかけて1周する。
    地球と黄道の関係だけを抜き出したのが右の図です。春分点を0度として、東から西へ360度で区切るというのが黄経の定義で、このように決めると
  • 春分…黄経0度
  • 夏至…黄経90度
  • 秋分…黄経180度
  • 冬至…黄経270度
  • となります。で、冬至と春分の中間点である黄経315度を立春と名付けて、太陽がこの地点を通過したら「暦のうえでは春」としましょう…ということを昔の人が考えたわけです。

    これで、とりあえず「暦のうえでは春」の意味がなんとなく分かったわけですが、それでは何故「暦のうえでは春」なのにまだ寒いのでしょう?

    北半球では、冬至のときに太陽から受け取るエネルギーが1年間で最も少なくなります(コラム「試験に出る気象」参照)。では冬至(12月下旬)が1年間で最も寒いかといえばそうではなく、実際には1月下旬から2月上旬がいちばん寒い時期にあたります。これは、太陽から受け取るエネルギーが増えたからといって大気や地面や海洋がすぐに暖かくなるわけではないからです。特に日本の冬はシベリア気団(いわゆる冬将軍)の影響を強く受けますが、シベリアのように大地が雪や氷で覆われていると太陽放射の大部分を反射してしまうためなかなか暖まらず、冬至を過ぎてもしばらくの間は寒気を送り出し続けるのです。

    とはいえ、太陽があと15度進めば雪が雨に変わる頃と言われる「雨水」、さらに15度進めば冬眠していた虫たちが活動を始める頃と言われる「啓蟄」です。太陽が着実に進むうちに、春も着実に近づいています。
    二十四節季と太陽の位置関係
    春分から15度おきに、清明、穀雨、立夏、小満、芒種、夏至、小暑、大暑、立秋、処暑、白露、秋分、寒露、霜降、立冬、小雪、大雪、夏至、小寒、大寒、立春、雨水、啓蟄。

    (2004/2/7)
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