ところで、過去30年間の台風1号発生日を平均すると確かに3月6日になるのですが、具体的に台風1号がいつ頃発生したのかを調べてみると、右図のように妙な結果になりました。実際のところ、台風1号の発生時期は1月上旬が圧倒的に多いのです。
台風が発生するためには、次の2つの条件が必要です。
♦コリオリ力が働くこと(赤道直下では台風は発生しない)
♦海水温が26〜27℃以上あること
このうちコリオリ力の大きさは季節による変動はありませんが、海水温は季節によって変わります。気象庁ホームページの海洋のデータバンクを見ると、台風が発生する北西太平洋・北緯10°付近の水温は、1月下旬〜3月上旬にかけて最も低くなります。これは右表の台風1号の発生数が少ない時期と一致しています。逆に1月上旬はまだ前年の夏の名残で海水温が下がりきっていないため、年によっては台風が発生する条件を満たしていると考えられます。
北太平洋の水温は今のところほぼ平年並み。というわけで、台風1号・Sudal(スーダエ;「かわうそ」…命名国は韓国)の発生も平年並み…ではなく、早くても3月中旬以降になるのではないかと思います。