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「てんきや」コラム
#8: 不快指数と省エネと
もうすぐ6月です。今は暑くもなく寒くもなく過ごしやすい気候が続いていますが、まもなく梅雨がやってきます。じめじめします。梅雨が終われば真夏です。とにかく暑いです。不快このうえなし。というわけで今日は不快指数のオハナシです。
毎度おなじみ気象庁が天気予報等で用いる予報用語によると、不快指数とは「気温と湿度による「むし暑さ」の指数」のことです。不快指数が高いほど蒸し暑く感じる、ってことですな。計算式としては、気温がT [℃]、湿度がU [%]のときの不快指数DI は、
DI = 0.81T + 0.01U (0.99T - 14.3) + 46.3
で計算できます。…と数式で言われてもよく分からないと思うので、実例を挙げてみましょう。
となります。気温と湿度を変えて試してみてください。
不快指数と体感の関係
55
60
65
70
75
80
85
寒い
肌寒い
何も感じない
快い
暑くない
やや暑い
暑くて汗が出る
暑くてたまらない
さて、同じ気温・湿度でも暑いのがが好きな人と嫌いな人では感じ方が大きく違うと思いますが、一般的には右図のような関係になります。例えば、大阪の観測史上最高気温は39.1℃(1994年8月8日)で、このときの湿度は36%だったので、不快指数は87…暑くてたまらない…当たり前ですね。逆に大阪の観測史上最低気温は-5.5℃(1981年2月27日)で、このときの湿度は50%だったので、不快指数は32…寒い…当たり前ですね。
ところで、今年の夏は特に関東地方で省エネが推進されるようですが、省エネな冷房温度のめやすは28℃と言われています。でも、気温28℃では湿度を50%まで下げても不快指数76…やや暑い、です。暑いのはイヤだ、でも停電は困る…ああどうしよう。そんなアナタに朗報です。不快指数は蒸し暑さの指標なのですが、「風」のパラメータが入っていません。風に当たると体感的には風速1m/sあたり1℃下がると言われています。今年の夏はうちわ片手にクーラーは28℃でちょっぴり省エネ、これで決まりです。
(2003/5/25)
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