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「てんきや」コラム

#19: 秋を感じるとき

もう10月です。早いものです。半月前には暑い暑いと言っていたのに、台風15号(Choi-Wan)が過ぎ去ってからはすっかり涼しくなりました。まさに暑さ寒さも彼岸まで、だったわけです。

さて、すっかり秋が深まったところで、9月と10月の気温を比べてみましょう。気象庁ホームページのアメダス観測地点の観測値です。まずは9月30日午前9時の全国の気温。東京の気温は21.4℃でした。次に、翌日10月1日午前9時の全国の気温。東京の気温は18.7℃でした…おや?

(2003/10/4 追記)
気象庁のページから古いデータが消えてしまったため、元画像を引用したページを作成しました。

分布図の色は北海道〜本州〜九州〜南西諸島にかけて、9月30日には水色緑色黄色橙色の分布だったのが、10月1日には緑色黄色橙色赤色となっています、まるで日本列島全体の気温が1日にして上がってしまったかのように見えますが、実際のところは全国的に気温はそれほど変わっていません(むしろ東京や大阪や福岡などでは下がっています)。では何故? 秘密は、日本列島の左上あたりにあります。

気象庁ホームページの
アメダス気温の表記

気温[℃] 5 10 15 20 25 30
〜9/30 
10/1〜 
気象庁ホームページのアメダス気温分布図の階級表記は右表のようになっています。10月1日を境に気温と色の対応付けが変わっているために、あたかも気温が急に上がったように錯覚してしまったわけです。「だったら使う色の数をもっと増やして細かく区切ればいいのに」と思うかもしれませんが、人間の感覚も季節によって違うので、このように表記を使い分けているのではないかと思います(同じ18℃という気温でも夏場であれば涼しく感じるけど、冬場であれば暖かく感じる…でしょ?)。

テレビの天気予報でも、だいたいこの時期に夏画面から冬画面に切り替えているのではないかと思います。そんなところに気をつけてみて、秋を感じてみるのはいかがでしょうか?


(2003/10/1)
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