[013]

By. ぴぃ☆彡 [Profile] [Homepage] [Mail]

小学校の頃のこと。理科のテストで「水が氷になると体積は増えるか減るか?」という問題を見事に間違えたことがあった。

固体→液体→気体、という相変化を考えれば、液体→気体、すなわち水から水蒸気になるときには体積は増えるんだから、固体→液体のときも体積が増えるだろうという類推は正しそうなもんである。しかし実際のところは、液体すなわち水の状態のほうが、固体すなわち氷の状態よりも体積が小さいのである。他のほとんどの物質では固体<液体<気体という関係だった…ような気がするのだが、H2Oの特異な分子構造のおかげでこのような特異な性質を持っていたと高校の化学の授業で習ったかもしれないのは何年前のことだろう。

それはともかく、構造がどうとかいう理屈を押さえた上で「水が氷になると体積は増えるか減るか?」と問われるならいざ知らず、小学生にそんな理屈が理解できるとは思えないし(水素結合を理解する小学生がいたらちょっとコワイ)、だからといってこんなこと丸暗記させようとしたところで理科ギライを増やすだけのような気もする。

でも、良く考えたら、水より氷のほうが体積が大きいということは暮らしの中で実感できるではないか。冷凍庫に缶ジュース入れて破裂させてみたりとか。そういうふうに日々の暮らしの中からカガクのココロを育てるのが、近頃できたという生活科という教科だと思うのだけれど、果たしていまの小学校ではそのような教え方をしてるのであろうか? やっぱり教科書そのまま教えてるだけのような気がしてならないのだけれど。

(1999.8.26)

週刊X人に聞きました・トップへ このコラムの著作権・文責等はライター個人に帰属します。無断転載等はご遠慮ください。