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テレビ
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「帰る即電源ONのススメ」

 家に帰ると、まずテレビをつけなければならない。テレビの電源は、会社に行ったらタイムカードを押す。くらいに重要かつ標準の行動なのだ。つまり、テレビの電源と言うのは、家のタイムカードと言う役割も果たしているのだ。この、帰る即テレビONは、とても暮らしに役立つのだ。ひとつの事例を見てみよう。1人暮らしを始めたA君。たまたまその日は携帯電話のバッテリーが切れていた為、帰る即充電と行きたいのをグッとこらえ、まずテレビの電源をON。そして、次に携帯電話の充電を始める事になるのだが、その時A君は、携帯電話の電源が切れたまま充電を試みてしまったのだ。その日は何事も無かったかのように携帯電話の充電を終え、再度電源を入れたのだが、まだこの時、近々降りかかる事になる危機に、まだA君は気づいてい無かった。そして、翌日、事件は起こった。

 「何度も電話したのに、昨日はどこへ行ってたのよ、何時に帰って来たのよ、電話くらいしなさいよ。」と言う、3人に1人が、5回に1回の割合で遭遇する危機に、A君は陥ってしまったのだ。1人暮らしならば、こう言った危機を乗り切るのは大変難しい。「ちゃんとウチにいたよ、携帯の電源が切れてたんだよ」と、実に正直にA君が答えたとしても、こんなにウソっぽい本当の事も珍しい。ってくらいで、最悪の場合、「電源切れてたぁ?切ってたんやろがー!」と、左下からえぐられるような平手が飛んで来る場合もある。

 しかし、A君はラッキーであった。ラッキーを呼んだのは、「帰る即テレビON」が習慣となっていた事だ。「昨日オレが帰った時、サザ○さんはチョキを出していた!間違いない!」と即座に答えたのだ。すると彼女は、「私はパーを出して○ザエさんに負けたわ!疑ってごめんなさい!」と、見事にアリバイは立証され、同時に彼女が抱いていたA君に対する疑惑は晴れ、見事、危機を回避する事が出来たのだ。

 このように、「帰る即テレビON」は、1人暮らしにおける無実の立証。を容易にします。ですから、例え真夜中の帰宅となり、部屋がまっくらな時であっても、ただひたすらテレビの主電源ボタンを目指す事が大事なのです。また、夏の南向きの、パイナップルでも生えてきそうなくらい熱帯と化した部屋に夕方帰って来た時であっても、まずテレビのスイッチをONにする事から初めて下さい。それが習慣付けば、きっとテレビは、あなたを危機から救ってくれる事でしょう。

(1999.7.15)

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