ジリリリリィンというけたたましい家庭用黒電話の音も今は聞くことも珍しくなった。
黒電話の呼び出し音はすさまじく、自分の家の電話が鳴ったと思って走って電話まで近づくと実は隣の家の電話がなっていた、なんてことも珍しくなかった。
もちろん、子機やワイヤレス電話などなく位置も固定されていた。たいていの場合、居間やその付近の廊下に配置されていたので人目も多く、しかも受話器が非常に重いため長電話などできるものではなかった。もし、ご家族の長電話でお困りの方がいらっしゃったら受話器に重りをつけることをお勧めする。
黒電話はどこの家庭もほぼ同じ形で没個性的である、と思いきやなかなかにバリエーションがありおもしろい。確かに電話機事体はみな同じ色・形ではあるが、取っ手カバーや、電話機台、シート、本体カバーなどたくさん販売されており、家庭ごとで様々に飾られていた。
モジュラージャックが普及して、電話機もたくさん市販されている今ではほとんど黒電話を見ない。近頃見たといえば明治村で見たくらいだ。
今は非常に珍しい黒電話、ちょっとほしいともおもってしまう。もちろん、モジュラージャック対応であれば、だけど。