「てんきや」コラム

#21: 木枯らし1号

11月です。そろそろおでんの美味しい季節になってきました…ではなくて、寒さが日々深まる季節です。春の到来を告げるのが「春一番」ならば、冬の到来を告げるのは「木枯らし1号」。

毎度お馴染み、気象庁の予報用語のページによると、木枯らしとは「晩秋から初冬にかけて吹く、北よりの(やや)強い風」のこと。で、10月中旬から11月末にかけて初めて観測された木枯らしが「木枯らし1号」として発表されています。具体的には、
  ・西高東低の冬型の気圧配置で、
  ・北or北北西or北西or西北西の風が、
  ・最大風速8m/s以上で吹いたときに、
「木枯らし1号」と認定されるようです。資料によっては、これに加えて
  ・気温が前日よりも3℃以上下がったとき、
という条件も入っているのですが、正確なところは良くわかりません。(気象庁のキャンペーン資料(PDFファイル)によると、「関東地方では10月後半から11月末までの期間、最大風速が8m/sとなった最初に吹く西北西から北の風」を木枯らし1号と呼ぶようです。)

さて、そんな木枯らし1号ですが、実は日本広しと言えども東京と大阪にしか吹きません。何故か? 都市化の影響? そんなことはありません。単に気象庁が発表しないだけです。何故東京と大阪しか発表しないのか? …なんででしょうねえ。単なる慣習だと思います。署名を集めて地元の気象台にお願いしに行けば、ひょっとしたら発表してくれるかもしれません(根拠はありませんが)。

ちなみに、「春一番」は東京・大阪以外でもちゃんと発表されます…と思い込んでいたのですが、実はこちらも地域限定。北海道・東北地方と南西諸島では春一番は発表されないそうです。冬でも暖かい南西諸島はともかく、春が待ち遠しいであろう北国で春一番が無いというのはちょっと意外ですね。

(2003/11/3)
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