…と言っても気象予報士試験ではなく、中学受験のおはなしです。電車の中の広告を見た方もいるかと思いますが(私もその1人です)、日能研の広告シリーズ「■いアタマを●くする。」で気象の問題が取り上げられていました。実際の問題は日能研のページを見ていただくとして、概要はこのようなものです。
要領よく説明せよなんて言っていますが、これ、かなり難題です。 まず前半の「福岡のほうが気温が高い」の理由ですが、これは要するに「福岡のほうが南だから」です(もうちょっと厳密に言うと「福岡のほうが緯度が低いから」…でないと南極のほうが暑いことになって×)。赤道に近いほうが暑そう、というのは感覚的にもわかりやすいと思いますが、具体的な理屈は次のようになります。
気温を決める要素には、この他にも高度や海流の影響がありますが、福岡も釜山も標高は100m以下なので2℃の気温差は説明できません(一般に標高が100m高くなると気温は約0.6℃下がります)。また福岡と釜山は対馬海峡をはさんだ対岸に位置していますから、海流の影響で気温差が生じる事も考えにくいです。というわけで、結局、福岡のほうが気温が高いのは「南だから」となります。 後半の「福岡のほうが秋冬の降水量が多い」の理由は、このところ日本海側で雪が降る原因と同じで「大陸からの季節風」のためです。北からの季節風が吹きつけるのは福岡も釜山も同じですが、ここでは間にある対馬海峡が大きなポイントです。
釜山の冬の季節風は乾燥しているため雨にはなりませんが、この風が福岡まで到達したときには湿っているため雨(寒ければ雪)をもたらします。これが秋冬、特に冬場の降水量の差になっていると考えられます。
…というわけなのですが、これを限られた時間内に要領よく説明せよとは、中学受験おそるべしです。ちなみに、この問題は理科ではなく社会科の問題なのですよ…参りました。私にはこの学校に入るのはちょっと難しそうです。
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