気象予報士試験の勉強をしているときに避けて通れないのが国際式天気図記号。実技試験でも気温・気圧・風などを読み取る問題がよく出題されていますので、覚えないわけにはいきません。
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雲量0
(一点の雲も無い)
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雲量6,7
雲量6
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雲量1,2
雲量1
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雲量8
雲量7,8
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雲量3
雲量2,3
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雲量9または
10(隙間あり)
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雲量4
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雲量10
(隙間なし)
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雲量5
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天空不明
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そんな中で、ちょっと謎なのが雲量の記号。雲量とは「雲におおわれた部分の全天空に対する見かけ上の割合」のことで(参考:気象庁が天気予報等で用いる予報用語)、例えば空の3割が雲に覆われていれば「雲量3」となります。国際式天気図記号では全雲量の記号は左図のように定められています。ちなみに日本の天気予報で言うと、「快晴」にあたるのが雲量1以下、「晴れ」は雲量2以上8以下、「曇り」は雲量9以上(厳密には薄曇りとかあるのだがとりあえず省略)に相当します。でも、だったら雲量1と雲量2をまとめて1つの記号で表したりするのはいかがなものかと思いません?
そもそも国際式天気図は各国の気象官署が観測したデータを交換し合って作成しているわけですが、このうち地上観測データはSYNOPというデータ形式で送受信されます。このSYNOPの電文の中で、雲量に関する情報は1桁の数字(0〜9)で表されています。雲量0, 雲量1, …, 雲量10を表そうと思うと、これだけで11種類になってしまい1桁の数字では表せないわけです。
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0/8
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5/8
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1/8
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6/8
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2/8
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7/8
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3/8
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8/8
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4/8
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不明
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でもやっぱり「雲量6,7」なんてのは気持ち悪い…と思って調べてみたところ、SYNOP Data Formatという英文のページが見つかりました。このページによると、全雲量と天気図記号の関係は右図のようになります。8分の1、8分の2、8分の3…ああ、なんて明快でわかりやすいことでしょう。さすがは西洋的合理主義…と言いそうになるところですが、これはたまたま8分のnで表すほうが電文にするのに都合が良かったから、といったところではないでしょうか。
ちなみに、気象予報士試験に全雲量の記号を読み取る問題が出題された場合は…やはり日本では雲量は10分のnで表すことになっていますので、「1/8」ではなく「雲量1または2」と答えるべきでしょう。微妙に理不尽な気もしますが、我慢して覚えてください。
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