「てんきや」気象予報士への道

#17: 台風1号

台風1号の発生時期(1971年〜2000年)
(参考:デジタル台風)
1月上旬  9
1月中旬 2
1月下旬 2
2月上旬 1
2月中旬 0
2月下旬 1
3月上旬 1
3月中旬 3
3月下旬 1
4月上旬 2
4月中旬 1
4月下旬 2
5月上旬 1
5月中旬 0
5月下旬 0
6月上旬 1
6月中旬 0
6月下旬 1
7月上旬 2
このコラムを書いている時点では、まだ今年(2004年)の台風1号は発生していません。1971年〜2000年の30年間の台風1号について調べてみると、発生した日の平年値は3月6日なので、今のところ平年に比べて特別遅いというわけではないようです。

ところで、過去30年間の台風1号発生日を平均すると確かに3月6日になるのですが、具体的に台風1号がいつ頃発生したのかを調べてみると、右図のように妙な結果になりました。実際のところ、台風1号の発生時期は1月上旬が圧倒的に多いのです。

台風が発生するためには、次の2つの条件が必要です。
 ♦コリオリ力が働くこと(赤道直下では台風は発生しない)
 ♦海水温が26〜27℃以上あること
このうちコリオリ力の大きさは季節による変動はありませんが、海水温は季節によって変わります。気象庁ホームページの海洋のデータバンクを見ると、台風が発生する北西太平洋・北緯10°付近の水温は、1月下旬3月上旬にかけて最も低くなります。これは右表の台風1号の発生数が少ない時期と一致しています。逆に1月上旬はまだ前年の夏の名残で海水温が下がりきっていないため、年によっては台風が発生する条件を満たしていると考えられます。

北太平洋の水温は今のところほぼ平年並み。というわけで、台風1号・Sudal(スーダエ;「かわうそ」…命名国は韓国)の発生も平年並み…ではなく、早くても3月中旬以降になるのではないかと思います。

(2004/2/14)
※(2007/4/1 リンク切れ箇所を更新)
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