鳥取のさじアストロパーク・佐治天文台の天文ニュースによると、2004年3月31日に地球の中心から約13000kmの距離を直径8mの小天体2004 FU162が通過するという超ニアミスがあったそうです。この「地球の中心から約13000km」というのがどのような距離かというのを考えてみるのが今回のテーマです。
2004 FU162のニアミス度
というわけで、図を見てもらえば分かるように、最接近時には地球の半径とほぼ同じ程度の距離しか離れていなかったわけですから、超々々々々ニアミスと言えるわけです。
地球から見上げてみると
地球の大気の構造は左図のようになっていて、それぞれの層は次のような特徴があります(注:左図とは上下関係が逆になっています)。
さて、前置きが長くなりましたが、対流圏・成層圏・中間圏・熱圏の高度と比較すると今回の小天体はどのくらいの高度を飛んで行ったことになるのでしょうか? というわけで比較してみた図がこちら。建設中の国際宇宙ステーションが高度約400kmですから、2004 FU162の高度6600kmというのは遥か彼方の話です。 ディープ・インパクト!?近いような遠いような、ともかく地球半個分だけずれた位置を飛び去っていった小天体2004 FU162ですが、このまま銀河の彼方へ飛び去っていくわけではありません。計算によると2007年3月頃に再び地球に接近する可能性があるとのこと。また今回のニアミスにより小天体の軌道が変わったため、次回はどのくらいの距離まで接近するかわかりません。直径8mとそれほど大きくないので大気との摩擦によりバラバラになるとのころですが、果たしてどうなることやら。
…まあ、今からそんなことを心配するのは、まさに杞憂なわけですが。
【参考文献】
一般気象学第2版
小倉義光 著
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