2月4日は立春でした。暦のうえではもう春…なんて言いますが、ますます寒くなってきた今日この頃。「暦のうえでは春」って一体どういうこと? 暦といえば、国立天文台。国立天文台のホームページの中の暦要項のページを見てみると、
言葉で書くと非常に分かりづらいので図でなんとなく理解してください。 (なお、「地球から見ると」太陽が地球の周りを回っているに見えますが、実際には地球が太陽の周りを回っているので注意。)
となります。で、冬至と春分の中間点である黄経315度を立春と名付けて、太陽がこの地点を通過したら「暦のうえでは春」としましょう…ということを昔の人が考えたわけです。 これで、とりあえず「暦のうえでは春」の意味がなんとなく分かったわけですが、それでは何故「暦のうえでは春」なのにまだ寒いのでしょう? 北半球では、冬至のときに太陽から受け取るエネルギーが1年間で最も少なくなります(コラム「試験に出る気象」参照)。では冬至(12月下旬)が1年間で最も寒いかといえばそうではなく、実際には1月下旬から2月上旬がいちばん寒い時期にあたります。これは、太陽から受け取るエネルギーが増えたからといって大気や地面や海洋がすぐに暖かくなるわけではないからです。特に日本の冬はシベリア気団(いわゆる冬将軍)の影響を強く受けますが、シベリアのように大地が雪や氷で覆われていると太陽放射の大部分を反射してしまうためなかなか暖まらず、冬至を過ぎてもしばらくの間は寒気を送り出し続けるのです。 とはいえ、太陽があと15度進めば雪が雨に変わる頃と言われる「雨水」、さらに15度進めば冬眠していた虫たちが活動を始める頃と言われる「啓蟄」です。太陽が着実に進むうちに、春も着実に近づいています。
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